“為組（しく）” の例文
是は初より滑稽たつぷりに為組（しく）んだもので、役人替名も良三のおだる、道悦のわん平としてあつた。勿論滑稽は先づ隠して置いて後に顕した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) ／ 森鴎外(著)
狂言もこんな風に為組（しく）んで見せようじゃありませんか。
ファウスト (新字新仮名) ／ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(著)
これまで小説に書かれたり、芝居に為組（しく）まれたりしている守銭奴は、殆ど絶待的な奴ばかりのようである。活（い）きた、金を溜める男には、実際そうでないのが多い。
雁 (新字新仮名) ／ 森鴎外(著)