炭酸たんさん)” の例文
(彼はそれから半年はんとしほどのち天然痘てんねんとうかかって死んでしまった。)僕等は明るい瑠璃燈るりとうしたにウヰスキイ炭酸たんさんを前にしたまま、左右のテエブルにむらがった大勢おおぜい男女なんにょを眺めていた。
彼 第二 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一度息をするたびに、酸素がへって、炭酸たんさんガスがふえてくるのです。それを思うと小林君は、気が気ではありません。いまに、鉄のかんおけの中は、炭酸ガスばかりになって、死んでしまうのです。
妖人ゴング (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼はウヰスキイ炭酸たんさん一口ひとくち飲み、もう一度ふだんの彼自身に返った。
彼 第二 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)