灯籠どうろう)” の例文
旧字:燈籠
その伯父さんは章坊が学校から帰ったらもう来ていたというのである。自分は藤さんの身辺の事情が、いろいろに廻り灯籠どうろうの影のように想像の中を廻る。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
下女は何とも云わずに御辞儀おじぎをして立って行く。白足袋しろたびの裏だけが目立ってよごれて見える。道也先生の頭の上には丸く鉄を鋳抜いぬいた、かな灯籠どうろうがぶら下がっている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
灯を入れた雪見灯籠どうろうのあたり、雪を頂いた松の緑が淀んで、池の水の一角が、柔かい雪景色に切り込む刃金はがねのように、キラリと光る物凄い効果だったのかもわかりません。
猟色の果 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
瓔珞ようらくを垂らした切子きりこ形の、ギヤマン細工の釣り灯籠どうろうが、一基天井から釣り下げられていたが、それの光に照らされながら、いろいろの器具、さまざまの織物、多種多様の道具類
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)