演繹的えんえきてき)” の例文
かつてある学者のげんに男子の脳髄のうずい帰納的きのうてきなるも、女子は演繹的えんえきてきなりとあったが、女子は感情がまさっているから冷静に事物に接することがかたい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
彼の史論が往々にして演繹的えんえきてきにして帰納的きなふてきならざるものあるは(たとへば日本開化小史、上古史の如き)之が為めなり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
科学者が既知の方則を材料として演繹的えんえきてきにこのような実験を行って一つの新しい原理などを構成すると同様に
(まとまりのある詩すなわち文芸上の哲学は、演繹的えんえきてきには小説となり、帰納的きのうてきには戯曲となる。詩とそれらとの関係は、日々の帳尻ちょうじりと月末もしくは年末決算との関係である。)
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)
演繹的えんえきてきに彼の生涯および教訓を説明するという態度でなく、かえって反対に、イエスの生涯に現われたる彼の人格の愛と真実とを見て、彼を神の子なりと信ぜしめるのがマルコ伝の目的である。