源次郎岳げんじろうだけ)” の例文
その間に、左右の空に見た山をかぞえてみますと、源次郎岳げんじろうだけ大菩薩だいぼさつ鈴庫すずくら倉掛くらかけ乾徳山けんとくさん、みな一見識をもって、甲武のあいだに山脈をなしています。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水色みずいろにすみわたった五こうの空——そこに黒くまう一ようのかげもなく、ただ一せん、ピカッと熒惑星けいわくせいのそばのほしが、あおい弧線こせんをえがいてたつみから源次郎岳げんじろうだけかたへながれた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源次郎岳げんじろうだけの山道までおちのびてきた忍剣にんけんは、はるかな火の海をふりむいて、なみだをうかべた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)