湯桶ゆとう)” の例文
やがて景蔵が湯桶ゆとうの湯を猪口ちょくに移し、それを飲んで、口をふくころに、小女こおんなは店の入り口に近い台所の方から土間づたいに長い腰掛けの間を回って来て
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
余は遂に料理のなかばを残して喰はず。飯終りて湯桶ゆとうに塩湯を入れて出す。余は始めての会席料理なれば七十五日の長生すべしとて心覚こころおぼえのため書きつけ置く。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
膳とか重箱とか板で組むものも作り、また盆や木皿の如き挽物ひきものこしらえますが、曲げやすいひのきを材にしていわゆる曲物まげものを作ることが盛であります。飯櫃めしびつ湯桶ゆとうや弁当箱などによいわざが見られます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「そば屋の湯桶ゆとう」で、横から口をだすな
昔の言葉と悪口 (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)