渡道とどう)” の例文
実は彼は内地の郷里に妻子を置いて、渡道とどうしたきり、音信不通いんしんふつうだが、風のたよりに彼地で妻を迎えて居ると云うことが伝えられて居るのであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
宮崎君夫婦はもともと一文無いちもんなしで渡道とどうし、関家に奉公中貯蓄ちょちくした四十円を資本とし、ひらけの約束で数年前此原野を開墾かいこんしはじめ、今は十町歩も拓いて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)