流行感冒はやりかぜ)” の例文
疲れ? へツ、そんな氣取つた臺詞せりふは、あつしの書き拔きにはありませんよ、去年の流行感冒はやりかぜにやられた時、葛根湯かつこんたうを一升五合ばかり飮んで、布團を
亭主が流行感冒はやりかぜ一つ引いても、まっさきに伝染性なりや否やを医師にただすようなおんなを、貴婦人だって、学者だって、美人だって、年増としまだって、女房にしていらるるもんか。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さてどうも娑婆しゃばのことはそう一から十まで註文ちゅうもん通りにはまらぬもので、この二三箇月前から主はブラブラわずらいついて、最初は医者も流行感冒はやりかぜの重いくらいに見立てていたのが
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「さあ、まだ何とも云ってまいりませんが、流行感冒はやりかぜでも引いたんでございましょう」
半七捕物帳:04 湯屋の二階 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)