泥手どろて)” の例文
主人は田川の生温なまぬるい水で泥手どろてを洗って、鬼芝の畔に腰かけつゝ、紫雲英を摘む女児を眺めて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私の名まへが弘蔵こうざうと云つたところから、ぢいはたはむれて私を弘法大師と呼びました。私が、泥手どろてのまゝ跳びつくのもかまはず、ぢいは私をしつかりと抱きかゝへて、その長い髯を顔におしつけます。
海坊主の話 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)