法被姿はっぴすがた)” の例文
青菜色の労働服や法被姿はっぴすがたの男が多かった。彼らは煙草を吸ったり、新聞を見たりしながら、池の周囲のベンチ、鉄柵の上なぞに休んでいる。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
法被姿はっぴすがた梵天帯ぼんてんおび、お約束の木刀こそなけれ、一眼で知れる渡り部屋の中間奉公、俗に言う折助おりすけ年齢としの頃なら二十七、八という腕節の強そうなのが
大抵たいていは一つのベンチを一人で占領して、洗いざらした法被姿はっぴすがたなどが、長々とよこたわっていた。中にはもういびきをかいて、泥の様に熟睡しているものもあった。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
法被姿はっぴすがたながら上から下まで垢ぬけのしたサッパリした仕事着に生れ代ったようになったことだった。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
法被姿はっぴすがたの源三、庭石に腰かけて、含み笑い……素手すでです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)