沼波瓊音ぬなみけいおん)” の例文
お弟子は随分あるが、世間に聞えてゐる人達には、生田長江いくたちやうかう、小山内薫、沼波瓊音ぬなみけいおん、栗原古城こじやう、山田耕作、岡田三郎助などいふ顔触かほぶれがある。
沼波瓊音ぬなみけいおん氏の「乳のぬくみ」を読むと、その中にオボーと云う虫に就いて、作者が幼い頃の思い出が書いてあった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
最初沼波瓊音ぬなみけいおん氏の「俳味」に連載されしが、同誌の廃止後、織田枯山楼氏の「俳諧文学」にその「俳味」に載りしものと共に終結までを連載された所のもので
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
ところが、さういふ風にして一二枚書いてゐるうちに、沼波瓊音ぬなみけいおん氏が丁度ちやうどそれと同じやうな小説(?)を書いてゐるのを見ると、今迄いままでの計画で書く気がすつかりなくなつてしまつた。
沼波瓊音ぬなみけいおん氏の句であったか、「入日雲見えしもしばし皐月雨さつきあめ」というのがあったと記憶する。晴れそうになって晴れぬ状態は、この「しばし」といい「しばらく」という語に尽きるように思う。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)