油売あぶらうり)” の例文
旧字:油賣
荒く触つたと言ふばかりで、その身体からだが揺れたとも見えないのに、ぽんと、かさぐるみ油売あぶらうりの首が落ちて、落葉おちばの上へ、ばさりと仰向あおむけに転げたのである。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちょうど、まだあかしを入れたばかりの暮方くれがたでね、……其の高楼たかどのから瞰下みおろされる港口みなとぐち町通まちどおりには、焼酎売しょうちゅううりだの、雑貨屋だの、油売あぶらうりだの、肉屋だのが、皆黒人くろんぼに荷車をかせて、……商人あきんどは、各自てんでん
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)