沔陽べんよう)” の例文
沔陽べんようの廟前に後主こうしゅ劉禅りゅうぜんが植えたというかしわの木が、唐時代までなお繁茂していたのを見て、杜子美がそれを題して詠ったものだといわれている。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
沔陽べんよう(陝西省・漢中の西方)に式殿と九重の壇をきずいて、五色の幡旗ばんきをつらね、群臣参列のうえ、即位の典は挙げられた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これへ臨む前に、沔陽べんようにも、陽平ようへいにも、石城方面へも、軍をわけて、自身はその中軍だけを率いてきたからである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初め江陵こうりょうへさして落ちてきたのであるが、こんな事情でその方角へはとうてい出られなくなったので、にわかに道を変更して、沔陽べんようから漢津かんしんへ出ようと、夜も昼も逃げつづけていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しょくの大軍は、沔陽べんよう陝西省せんせいしょう沔県べんけん漢中かんちゅうの西)まで進んで出た。ここまで来た時
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)