気羞きはず)” の例文
どうも初めそれを着るのがいや気羞きはずかしくて往来を歩けないような気がしたのであった。
美術学校時代 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
炉の中にはもはや一本の煙草の吸殻もなく、さらに笑うべきは、三升も入ろうという大きな湯沸しが、何年ものさびを磨き落されていかにも気羞きはずかしげに、真鍮色しんちゅういろの光を放っていたことである。
溜息の部屋 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)