気崩きくず)” の例文
降りしきる雨の中に、銀五郎の叫びが切れぎれにするのだったが、叫ぼうとする息も、起きようとする懸命も、沛然はいぜんたる雨の力に圧倒されて紫陽花あじさいのように気崩きくずれてしまう。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)