また公爵の人が男爵の人よりも何だか別格の人間で毫光でも射すかと怪しまるる。ここに到るとその弊害に堪えられぬと云うてよい。
「どうぞ聖者の毫光を御尊敬なさると同じお心持で、勝利を得たものの額の月桂冠を御尊敬なすって下さいまし。」
「どうぞ聖者の毫光を御尊敬なさると同じお心持で、勝利を得たものの額の月桂冠を御尊敬なすって下さいまし。」
安寿はけさも毫光のさすような喜びを額にたたえて、大きい目をかがやかしている。しかし弟の詞には答えない。ただ引き合っている手に力を入れただけである。
それに反してあの写真の男の額からは、才気が毫光のさすように溢れて出ているでしょう。どうしてもわたくしのどこをあなたが好いて下さるか分からなかったのです。