毫光ごうこう)” の例文
また公爵の人が男爵の人よりも何だか別格の人間で毫光ごうこうでも射すかと怪しまるる。ここに到るとその弊害に堪えられぬと云うてよい。
鹿山庵居 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
「どうぞ聖者の毫光ごうこうを御尊敬なさると同じお心持で、勝利を得たものの額の月桂冠を御尊敬なすって下さいまし。」
「どうぞ聖者の毫光ごうこうを御尊敬なさると同じお心持で、勝利を得たものの額の月桂冠を御尊敬なすって下さいまし。」
女の決闘 (新字新仮名) / 太宰治(著)
安寿はけさも毫光ごうこうのさすような喜びを額にたたえて、大きい目をかがやかしている。しかし弟の詞には答えない。ただ引き合っている手に力を入れただけである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それに反してあの写真の男の額からは、才気が毫光ごうこうのさすように溢れて出ているでしょう。どうしてもわたくしのどこをあなたが好いて下さるか分からなかったのです。
最終の午後 (新字新仮名) / フェレンツ・モルナール(著)
(美少年ありて、両親の脚の下に墜つ。この屍はその人の姿かと疑はる。されどその形骸は直ちに消え失せ、毫光ごうこうは彗星の如く天に升り去り、跡に衣とほうとリラの琴と残れり。)
「それはひどいな。ほんとですか。しかしそういう受難は聖者の生涯には附きものですね。人に賤しめられしりぞけられてこそ聖者でしょ。まあ癩病らいびょう人みたいなものだな。誰もその毫光ごうこうには気がつかない。」
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
この時庄兵衛は空を仰いでいる喜助の頭から毫光ごうこうがさすように思った。
高瀬舟 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
毫光ごうこうがさしているので、羞明まばゆくてなりません。
人間最高の徳が、聖者の毫光ごうこうのように