武士りゃんこ)” の例文
「何ね中之島の蔵屋敷前で、老人としより武士りゃんこを叩斬り、懐中物を抜いたはいいが、桜川辺りの往来でそいつを落としてしまったんだ。つまらない目にあいやしたよ」
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「てめえ惚れた女のことだけあっていやにくわしいぜ。しかし、武士りゃんこがついていたんじゃあ、手前なんかに鼻汁はなもひっかけやしめえ。お気の毒さまみたようだなあ」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「へえへえ旦那のおっしゃる通りいろいろの人が参詣します。武士りゃんこも行くし商人あきんども行くし、茶屋の女将おかみ力士すもうとり俳優やくしゃなんかも参りますよ。ええとそれからヤットーの先生。……」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「天誅とは大上段、やっぱり、武士りゃんこてえお見込みで?」