武佐むさ)” の例文
この瓦版を柏原を振出しにして、さめ、番場、高宮こうみや越知川えちがわ武佐むさ、守山、草津と、大声をあげあげ呼売りをして歩きました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
(往年朝妻舟の賛に床の山を詠ぜしは所ちかき故入れしなり。此に到て初てしる。)一里半高宮駅。二里愛智川えちかは駅なり。松原あり。片山といふ山を望む。二里半武佐むさ駅。仙台屋平六の家に宿す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
しからば古郷ふるさととても五三おにのすむ所なりとて、ここより又みやこに引きかへすに、近江の国に入りて、にはかにここちあしく、五四あつき病をうれふ。五五武佐むさといふ所に、児玉こだま嘉兵衛とて富貴の人あり。
武佐むさというところに、児玉こだま嘉兵衛という金持があった。