歓語かんご)” の例文
すでにして杯は廻りしょく夜涼やりょうにさやぎ、人々はこの二日間に初めての歓語かんごとくつろぎの中に各〻酔いを覚えていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋風や酔をさずに人歓語かんご
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
湖上の宵、どこにはばかる灯一つもない。ようやく酒もまわり、歓語かんごいてきたころである。日ごろ、三兄弟が眼をかけていた一人の漁師が、早舟でここへ告げてきた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この薬泉に沐浴ゆあみして、薤葉かいようの葉を噛み、芸香うんこうの根を啜り、或いは、柏子はくしの茶、松花のさいなど喰べると、重き者も血色をよび返し、軽き者は、即座に爽快となって、歓語かんご、谷に満ちた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宴席は歓語かんご笑声にみち、主賓劉璋の面にも満足そうな酔が赤くのぼっていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)