樹梢じゅしょう)” の例文
終りには肩をすぼめて、恐る恐る歩行た。雨は満目まんもく樹梢じゅしょううごかして四方しほうより孤客こかくせまる。非人情がちと強過ぎたようだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし古来の名匠は天然の岩塊や樹梢じゅしょうからも建築の様式に関する暗示を受け取ったとすれば、子供の積み木細工もだれかに何かの参考になる場合がないとは限らない。
浮世絵の曲線 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
夕日は樹梢じゅしょうかすめて、かすかに松の幹を染むる。熊笹はいよいよ青い。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)