横抱よこだき)” の例文
文子の叫声をきいた龍介君、声のした方へ懐中電灯をむけると、実験室の壁の一部が外にひらいて、黒装束の男が、文子を横抱よこだきにして外へ出るところだった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
泣出したもんだから、横抱よこだきにして飛んで帰ったがね。私は何だか顔はあかし、天狗てんぐにさらわれて行ったような気がした。袂に入れた桃の実は途中で振落ふりおとして一つもない。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)