権者きれもの)” の例文
そのさと権者きれものが日影者になったのだから、吉原の動揺は一通りではなかったろう。
水口藩みなくちはんか、膳所藩ぜぜはんか——そうだとすればここの権者きれものは何の誰という人か、その人に向っての手蔓てづる——ただし、彦根の藩中には相当の重役に知り合いがある、そうだ、あれから渡りをつけてやろうか
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)