かんじき)” の例文
会津の山々は雪の多いところとて、わらで出来た雪踏ゆきぶみ雪沓ゆきぐつや、曲木まげきかんじきや形の面白いのを見かけますが、かかる品を求めるには一番山奥の檜枝岐ひのえまたを訪ねるにくはありません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
若者は、宵の口から、藁製の雪沓ゆきぐつ穿き、その下にかつちき(かんじきの義)を著けて湖上へ出かける。綿入を何枚も重ねた上に厚い袢纏はんてんを纏ふのであるから、体は所謂着ぶくれになる。
諏訪湖畔冬の生活 (新字旧仮名) / 島木赤彦(著)
中山の登りは、スキーをぬいでかんじきの跡を登った。上に着いて休むと、一時に汗が引込んで、風が木々を渡って行った。中山の下りは急で、雪は実に好い。プルツファシュネーに近い。
春の上河内へ (新字新仮名) / 板倉勝宣(著)