業欲ごうよく)” の例文
「ちぇっ、こいつ! その白髪頭をひき挘ってくれるぞ! あの吝んぼのプリューシキンを知らないのか? 百姓に食うものも食わせない業欲ごうよく地主をさ?」
が、予は姫君が恋しゅうて、御意ぎょい得たいと申すのではない。予の業欲ごうよくに憧るる心は、一度唐土ひとたびもろこしにさすらって、紅毛碧眼の胡僧こそうの口から、天上皇帝の御教みおしえ聴聞ちょうもんすると共に、滅びてしもうた。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)