棒矢来ぼうやらい)” の例文
薄野すすきの遊廓の一隅に来てしまったことを柿江はさとった。そこには一丈もありそうな棒矢来ぼうやらいの塀と、昔風に黒渋くろしぶられた火の見やぐらがあった。柿江はまた思わず自分の顔が火照ほてるのを痛々しく感じた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)