“棄石”の読み方と例文
読み方割合
すていし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
峠を越して函嶺はこねへ行ったのもございますし、湯河原を出て吉浜、もうその時分は、お関所あたりで、ゆっくり紙幣さつを勘定しているものもあろうし、峠の棄石すていしへ腰をかけて、盗んだ時計で
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黙々として家の棄石すていしに甘んじているこの兄の心を思えば、高等学校にいる時も大学にいる時も、また任官して倫敦ロンドン巴里パリーにいる時も、私はどんなに感謝の念を、懐いていたか知れないのです。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
脈絡のない人物や事件をきたって棄石すていしのように置きすてて行く、そういうことも意識的に分裂的配分を行う際に必要な方法であろうし、探したならば、そのための色々都合のいい、効果的な
文章の一形式 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)