枚岡ひらをか)” の例文
枚岡ひらをかいつき姫にあがる宿世すくせを持つて生まれた者ゆゑ、人間の男は、弾く、弾く、弾きとばす。近よるまいぞよ、はゝはゝゝ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
順道じゆんたうなれば、今頃は既に、藤原の氏神河内の枚岡ひらをか御神おんかみか、春日の御社みやしろに仕へてゐるはずである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
南家で持つて居た藤原のうぢかみ職が、兄の家から弟仲麻呂の方へ移らうとしてゐる。来年か、再来年の枚岡ひらをか祭りに、参向する氏人の長者は、自然紫微内相のほか人がなくなつて居る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)