本床ほんどこ)” の例文
その離れは川に面して広縁があり、左は渡り廊下、右へかぎの手に曲がると手洗い場になっている。うしろは本床ほんどこと違い棚で、こちらから襲われる心配はなかった。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
本床ほんどこ附、畳は滑るほど新らしく、ふすま天井は輝くばかり、たれの筆とも知らず、薬草をくわえた神農様の画像の一軸、これを床の間の正面に掛けて、花は磯馴そなれ、あすこいらは遠州が流行りまする処で
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)