未刻やつ)” の例文
わけても女湯はガラきで未刻やつ(午後二時)から申刻ななつ(四時)までに入る客というのは、大抵決った顔触れと言ってもいいくらいでした。
これを飲んで居ると、ポーンと未刻やつの鐘が響きますから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
黒木長者の屋敷へ帰り着いたのは、未刻やつ(二時)そこそこ。驚き呆れる人達に構わず、平次はもう一度念入りに見て廻りました。
お才は申刻ななつ前に丁子風呂から帰った事はない。未刻やつ半頃にはきっとあの銭湯に居るんだ、——ところがあの日は旦那の都合で早く帰った。
平次と八五郎が、赦免状と生證人をつれて鈴ヶ森に乘込んだ時は、午刻こゝのつ(十一時)を遙かに過ぎてもう未刻やつ(二時)近くなつてをりました。
平次と八五郎が、赦免状と生き証人をつれて鈴ヶ森に乗込んだ時は、午刻ここのつ(十二時)を遥かに過ぎてもう未刻やつ(二時)近くなっておりました。
黒木長者の屋敷へ歸り着いたのは、未刻やつそこ/\。驚き呆れる人達に構はず、平次はもう一度念入りに見て廻りました。
やがて定刻の未刻やつが遲れて、申刻なゝつまでに集まつた者が九十八人、それに一々くじを引かせて、番號順に肌を除いで、皆んなに見せなければなりません。
二人は仕度もそこ/\に、お谷婆さんに案内させて車坂に行くことになつたのは、もう未刻やつ(二時)過ぎでした。
二人は仕度もそこそこに、お谷婆さんに案内させて車坂に行くことになったのは、もう未刻やつ(二時)過ぎでした。
「お早いお着きでございます。住職以下未刻やつ(二時)過ぎのお着きと承って、まだお出迎えの仕度もいたして居りません、暫く此方にてお待ちを願います」
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
出て未刻やつ過ぎ申刻ななつ近く参る筈でしたが、お寺からお使いの方が見えて、昼頃の方が御都合がよいというお言伝だったので、取急いで参ったようなわけで——
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「お早いお着きでございます。住職以下未刻やつ(二時)過ぎのお着きと承つて、まだお出迎への支度もいたしてをりません。暫らく此方にてお待ちを願ひます」
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
未刻やつ半に始まって、四半刻しはんとき(三十分)もかかりゃしません、何分この仕事は急がせられておりますから」
今日——未刻やつ半(三時)頃、平次のところへ、手紙を一本抛り込んだ者があったのでした、ひらいてみると
未刻やつ(二時)下がり、やがて申刻ななつ(四時)にも近かろうと思う頃、お勝手口へフラリ人の影がさします。
出て未刻やつ過ぎ申刻なゝつ(四時)近く參る筈でしたが、お寺からのお使ひの方が見えて、晝頃の方が御都合がよいといふお言傳だつたので、取急いで參つたやうなわけで——
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
それから月の家に居る限りの女共、五人のいひ分をきいて、八五郎を生證人に、餅の木坂を駈け登つたのは、もう御目付衆の檢分が來るといふ未刻やつ(二時)ぎりぎりです。
「あの日昼少し過ぎ——未刻やつ(二時)過ぎとかいったな、五郎八の女房のお六が、両国の小屋の裏から出て、一人で帰ったと路地の前の呑み屋でお前は聴いて来たはずだ」
やがて定刻の未刻やつ(午後二時)が遅れて、申刻ななつ(四時)までに集まった者が九十八人、それにいちいちくじを引かせて、番号順に肌を脱いで、皆んなに見せなければなりません。
「八、こんな家はお前の方が顔が通るだろう。きょうの未刻やつ(二時)から申刻ななつ(四時)までの間に、小屋から出て行った者はないか、きいてみてくれ、——おどかしちゃいけないよ」
「それじゃ——五郎八の女房はどうです。未刻やつ(二時)過ぎに小屋を出ていますが」
そのうちに次第に陽がかたむいて、未刻やつ(二時)になり申刻なゝつ(四時)になります。
そのうちに次第に陽が傾いて、未刻やつ(二時)になり申刻ななつ(四時)になります。
「今日の未刻やつ(二時)ということになっておりますが」
もうかれこれ未刻やつ(二時)近い頃だつたでせう。
ひいて、大層陽氣にして居た樣ですよ。旦那の權右衞門は未刻やつ(二時)過ぎに來た相ですが、その御機嫌でも取つて居たのでせう。權右衞門の歸るのは誰も見た者はありませんが、お朝はその晩も神妙に家に居たやうです
未刻やつ(二時)少し過ぎだつたでせう。
未刻やつから申刻ななつ頃まで
芳年写生帖 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)