木靴サボ)” の例文
そうしてそこではびっこがなんの役にも立たないむしろ目ざわりなうるさい木靴サボの騒音発声器になっているだけである。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ベルナアルさんはもう一歩で白僧衣ペール・ブランになるところだったので、白い僧衣ローブを着、大きな木靴サボを穿き、手に祈祷書を持って丘の斜面スロープや落葉松の林の中を眼を伏せて敬虔なようすで歩いていた。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「とんでもない。それは〈木靴サボから出て、また木靴にかえる四代目〉というフランスのことわざからとったもので、サボタージュなんかには関係がありません。どうか誤解のないように」
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)