木橋もっきょう)” の例文
暗い掘割りの一町ばかり向うに、黒い木橋もっきょうが架かっている。その左手には高い火の見梯子ばしごが見える。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僕のまわりにいた客の中には亀清かめせいの桟敷が落ちたとか、中村楼の桟敷が落ちたとか、いろいろのうわさが伝わりだした。しかし事実は木橋もっきょうだった両国橋の欄干が折れ、大勢の人々の落ちた音だった。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)