朝覲ちょうきん)” の例文
鳴くうぐいすの声も力なく老いていた。上皇の胸には、われ知らず去年の盛儀が思いだされてきた。正月六日、朝覲ちょうきんのための法住寺殿への行幸である。
行幸ぎょうこう御幸ごこうを仰ぐのはめずらしくない都の男女だったが、朝覲ちょうきん行幸みゆきと知って「……今日ばかりは」の、ひしめきらしい。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うけたまわれば明三日、みかどには朝覲ちょうきん行幸みゆき(天皇が父皇の御所へ拝賀にゆくこと)あらせられる由。今日、冷泉どのをお訪ねした折、伺いましたが」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、時代の風潮、点景人物、後醍醐帝の朝覲ちょうきんの儀など、おもなることは“増鏡”やその他の史実に拠った。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
微賤、遠くにいながら、またひとたびの朝覲ちょうきんもせず、さきに優渥ゆうあくなる天恩に接す。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝覲ちょうきん行幸みゆき