“服部平四郎”の読み方と例文
読み方割合
はっとりへいしろう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伝吉はうしろ手に障子をしめ、「服部平四郎はっとりへいしろう」と声をかけた。坊主はそれでも驚きもせずに、不審ふしんそうに客を振り返った。が、白刃しらはの光りを見ると、咄嵯とっさ法衣ころもひざを起した。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし「伝吉物語」によれば、服部平四郎はっとりへいしろうの名を知るまでに「三星霜せいそうけみし」たらしい。なおまた皆川蜩庵みながわちょうあんの書いた「」の中の「伝吉がこと」も「数年を経たり」とことわっている。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
伝吉はある日ふとしたことから、「越後浪人えちごろうにん服部平四郎はっとりへいしろうと云えるもののいかりを買い、あわやりも捨てられん」とした。平四郎は当時文蔵ぶんぞうと云う、柏原かしわばら博徒ばくとのもとに用心棒をしていた剣客けんかくである。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)