有仁ありひと)” の例文
それから、一時間の後、五位は利仁やしうと有仁ありひとと共に、朝飯の膳に向つた。前にあるのは、しろがねひさげの一斗ばかりはいるのに、なみなみと海の如くたたへた、恐るべき芋粥である。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
利仁が、敦賀の人、藤原有仁ありひと女婿ぢよせいになつてから、多くは敦賀に住んでゐると云ふ事も、日頃から聞いてゐない事はない。が、その敦賀まで自分をつれて行く気だらうとは、今の今まで思はなかつた。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)