最明寺さいみょうじ)” の例文
私はちょっかいを出すように、おもてを払い、耳を払い、頭を払い、袖を払った。茶番の最明寺さいみょうじどののような形を、あらためてしずか歩行あるいた。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
最明寺さいみょうじ入道はおごらない人だったらしい、台所をくまなく捜しても、小皿に味噌しかなかったというのだから、御殿も質素なものだったに相違ない。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
元来松は常磐ときわにて最明寺さいみょうじ御馳走ごちそうをしてから以来今日こんにちに至るまで、いやにごつごつしている。従って松の幹ほど滑らないものはない。手懸りのいいものはない。足懸りのいいものはない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)