曹達そうだ)” の例文
○寒天の酸性を中性にして用ゆる場合には少しく曹達そうだを加う。しかし酸気のものには不可なり。酸気のものは曹達を沸騰せしむ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
妾をだましていたんじゃないの。もうすこし先までお話するとわかるわ……ええ今話すわよ。話すからもう一杯飲んで頂戴……曹達そうだを割って上げるからね……。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
室一杯に香料の匂がせ返える程満ちていることで、しかも其かおりは他でも無い、曹達そうだ土瀝青ちゃん没薬もつやくとを一緒に混合あわせた香であって、即、それは、数千年の昔古代埃及の人達が
木乃伊の耳飾 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何となれば焼粉は酒石英しゅせきえいだの曹達そうだだのと薬品が交っているから小児の胃に堪えられない。軽い菓子がいいと信じてビスケットなぞを小児に与えては甘い菓子よりなお悪い。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
○赤茄子スープは夏ならば生の物、冬ならば鑵詰かんづめの物を四十分間煮てバターを交ぜ、曹達そうだを極く少し入れよく掻廻し別にスープかあるいは牛乳を沸してこの中へ注ぎ込むなり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)