暗闘だんまり)” の例文
もちろん芳年、芳幾といっしょにだったが、それにしても、構図は九絞龍と花和尚が瓦灌寺雪の暗闘だんまりの大首絵とあっては——。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
舞台はやがて昨日きのうの通りに河端かわばた暗闘だんまりになって、劇の主人公が盗んだ金を懐中ふところに花道へ駈出かけいでながら石礫いしつぶてを打つ、それを合図にチョンと拍子木が響く。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
立見たちみの混雑の中でもあるし、長吉ちやうきちおどろいたまゝ黙つてゐるより仕様しやうがなかつたが、舞台はやがて昨日きのふの通りに河端かはばた暗闘だんまりになつて、劇の主人公がぬすんだ金を懐中ふところ花道はなみち駈出かけいでながら石礫いしつぶてを打つ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)