晝飯ひる)” の例文
新字:昼飯
湯はぬるかつたが後はポカ/\した。晝飯ひるには鷄を一羽ツブして貰つた。肉は獸のやうにこはかつた。骨は叩きやうが荒くて皆な齒を傷めた。しかし甘かつた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
二階の部屋の唐紙からかみに書いてある漢詩を眺めながら晝飯ひるを濟ました。こゝにはウマイ葱があつた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
其日は晝飯ひるを食はずだから、宿へ頼んで、夕飯を早くして貰つた。皆なおなかが空いて居た。一時は飮食のみくひするより外の考へが無かつた。嫌ひな船に搖られた故か、A君は何となく元氣が無かつた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)