春蚕はるこ)” の例文
旧字:春蠶
越後訛えちごなまりで、「若布はようござんすかねえ」と呼んで来る声を聞くと、もう春蚕はるこで忙しい時になるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
春蚕はるこが済む頃は、やがて土地では、祇園祭ぎおんまつりの季節を迎える。この町で養蚕をしない家は、指折るほどしか無い。寺院おてら僧侶ぼうさんすらそれを一年の主なる収入に数える。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)