このとき坊やは異変の為か半ば昏睡状態こんすいじょうたいにあって、丘をすこし向うへ越えたあたりに巨大な手足をほうりだしたままグッタリとなっていた。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
新蔵はやっと長い悪夢に似た昏睡状態こんすいじょうたいから覚めて見ると、自分は日本橋の家の二階で、氷嚢ひょうのうを頭に当てながら、静に横になっていました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ムク犬が烈しくえ出したのはその暁方あけがたのことでありました。お君はそのムク犬の烈しい吠え声にさえ破られないほどに昏睡状態こんすいじょうたいの夢を結んでいたのであります。
この夜は終夜まくらもとにつきそうて看護かんごした。ドノバンはやっぱり昏睡状態こんすいじょうたいである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「えっ、赤見沢博士が昏睡状態こんすいじょうたいからめたというか。そして君は博士に会って話をして来たって?」
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)