“昏惑”の読み方と例文
読み方割合
こんわく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姫も、樹蔭で泣いているのである。女のつかんでいる強い力が範宴の足を大地へ釘で打ったようにしてしまった。昏惑こんわく慚愧ざんきとが、いちどに駈けあらした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
画像そのものは、この女性を、昏惑こんわくから来る反感へ導いて行くのですが、その表現の色彩だけは、それと引離して、多大の躍動と、快感とを与えずには置かないのであります。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宗時が、臆面なく、近ごろ頼朝と妹のあいだに、眼につくほど恋文のやり取りや、忍んで会う夜もあるらしいなどと語ると、時政の面色は、何とも名状しようのない昏惑こんわくと憤りに、つつまれた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)