明晢めいせき)” の例文
一体伊曾は画家には風変りなくらゐ歴史や自然科学に凝る男で、実に雑多な知識を彼一流の明晢めいせきな方法でその脳襞に蓄積してゐた。
青いポアン (新字旧仮名) / 神西清(著)
京大のラグビイ選手として抜群の体力や明晢めいせきな頭脳にも恵まれていたのが、前線の惨忍な厳しい雰囲気になじめず、見ている間に痩せおとろえ精神まで異常に衰弱していった。
さようなら (新字新仮名) / 田中英光(著)
本当に明晢めいせきに住んでいるのに、彼らはそれが外から与えられると思いこむのだ。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
これが彼女の皮膚の明晢めいせきさに或るうれひを与へる様に思はれた。彼等は並んでベンチに腰をおろした。伊曾は強い香気をいだ。しかし何の温度も感じなかつた。
青いポアン (新字旧仮名) / 神西清(著)