明放あけっぱな)” の例文
「ええ、ヤケに飲め、一杯どうだ、女房おかみさん附合いねえ。御亭主は留守だが、明放あけっぱなしよ、……構うものか。それ向う三軒の屋根越に、雪坊主のような山の影がのぞいてら。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
並大抵の芸者にはとても銭金ぜにかねでは出来ない明放あけっぱなしなお千代の様子、それは同じ売女の身をまかすにしても、このお千代ほどその身を根こそぎ勝手自由にさせる女はないと思うと
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)