日傭ひやと)” の例文
日本へかへつたら、何も彼も昔の生活をきれいにして、君と二人で、日傭ひやとひ人夫でもして生きようなンて云つて……
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
を持つことになるので、そこに日傭ひやとい根性では出て来ない“自己への試し”が現わされて来ることにある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奉公女とくると下働きの飯焚めしたきから日傭ひやとい女にいたるまでかつて手をつけなかったためしはなく、それも大してあくどいというやり方ではないが、親切ごかしに貧乏な水呑百姓に金を貸してやっては
本所松坂町 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
ゆき子は、自分もまたその一人なのだと思ひ、何のほこりもない、日傭ひやとひ人夫の娘にでもなつたやうなわびしいものが心をよぎつた。ゆき子は内地へかへりたかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
世間の奴あ、大垣の青鷺者ッてえと、お城の掃除人夫か、土方人足みたいにばかにするが、同じ青鷺仲間にも、一本差している組と、何も知らねえ日傭ひやとかせぎのふた色ある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)