旅愁りょしゅう)” の例文
実際僕は久しぶりに、旅愁りょしゅうも何も忘れながら、陶然とうぜんさかずきを口にしていた。その内にふと気がつくと、たれか一人幕の陰から、時々こちらをのぞくものがある。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
言うまでもなく私自身がこういう自分を軽蔑している。然し旅には旅愁りょしゅうという素朴な魔物がいるのだ。
流浪の追憶 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
もはや旅愁りょしゅうといった感じがこみあげて来るのでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)