新墓にいはか)” の例文
戸村家の墓地は冬青もちのき四五本を中心として六坪許りを区別けしてある。そのほどよい所の新墓にいはかが民子が永久とわ住家すみかであった。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
五日まえに仏となった新墓にいはかで、そのうえに二つとも死骸は女だというんでね。
あるいは女人をあやめむと致し、又は女人の新墓にいはか鋤鍬すきくわを当つるなぞ、安からぬ事のみ致し、人々これを止むる時は、その人をも撃ち殺し、傷つけ候のみならず、吾身も或は舌を噛み、又はくびれて死するなぞ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)