“数奇(さくき)” の例文
旧字:數奇
如何なる不浄(ふじょう)も容(い)れざるなく、如何なる罪人も養わざるは無い。如何なる低能の人間も、爾の懐に生活を見出すことが出来る。如何なる数奇(さくき)の将軍も、爾の懐に不平を葬ることが出来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
彼が生路は概(おほむ)ね平滑なりしに、轗軻(かんか)数奇(さくき)なるは我身の上なりければなり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
我一身の大事は前に横(よこたは)りて、洵(まこと)に危急存亡の秋(とき)なるに、この行(おこなひ)ありしをあやしみ、又た誹(そし)る人もあるべけれど、余がエリスを愛する情は、始めて相見し時よりあさくはあらぬに、いま我数奇(さくき)を憐み
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)