ちぢ)” の例文
赤いちぢれた髪毛が額に迫り、その下で紅と栗との軟い顔がほつとり上気してゐる。黒く澄んだ、黄楊つげの葉の目が、やさしく、ただしシニカルでありたさうに折々見上げる。
夭折した富永太郎 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
ちぢれた褐色とびいろの皮の上にほとばしる肉汁の香りが室内に漂うて人々の口に水をかしている。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)