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擽
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こそ
ふりがな文庫
“
擽
(
こそ
)” の例文
彼は急に金持ちの慈善家になったという不思議な感じがすると同時に、
此方
(
こっち
)
をそう思いこんでしまった相手の幻想によって
擽
(
こそ
)
ぐられるのであった。
幻想
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
今まで友だち附合いの青年を、急に夫として眺めることは少し窮屈で
擽
(
こそ
)
ばゆい気もしたが、私には前から幾分そういう予感が無いわけでもなかった。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
詩を思う心は一つの
釈
(
と
)
きがたい不思議であって、何物か意識されない、或る実在感への
擽
(
こそ
)
ばゆき誘惑である。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そうしてその一頭の長い額を叩き、頬の膨らみから頤の毛並を軽く軽く撫で
擦
(
さす
)
った。馬は眼を細め、薄あかい歯茎をむき出し、
顫
(
ふる
)
わせながら、さも
擽
(
こそ
)
ばゆそうに笑った。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
其の癖どんな
別嬪
(
べつぴん
)
だらうといふ好奇心が彼を軽く
擽
(
こそ
)
ぐるのだつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
擽
漢検1級
部首:⼿
18画
“擽”を含む語句
擽林
擽痒
擽痒感覚