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擽
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くすぐっ
ふりがな文庫
“
擽
(
くすぐっ
)” の例文
盗伐者と地主——こう思うと、変に
擽
(
くすぐっ
)
たく、情なく、血の遠さを感じた。それが一種の表情になっていたのかも知れない。
歩む
(新字新仮名)
/
戸田豊子
(著)
すると向うは、
擽
(
くすぐっ
)
たいものだから鼻の
孔
(
あな
)
を拡げてへらへら笑う、その鼻の孔を角の先へ引っ掛けて相手の
平駄張
(
へたば
)
るまで
円戯場
(
アレエヌ
)
のなかを引き廻すんでがす。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それに、自分に紹介を求めるのは、英吉に反対した
廉
(
かど
)
もあり、主税は
面当
(
つらあて
)
をされるように
擽
(
くすぐっ
)
たく思ったばかりか、少からず敵の機敏に、不意打を食ったのである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと、
夜半
(
よなか
)
に眼がさめると、胸に、はしかゆいような
擽
(
くすぐっ
)
たいような感じがしました。はっと思うと、次の瞬間けたたましい咳嗽が起って、なお暖かい血は猛烈に口腔に跳ね上りました。
人工心臓
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そこで、さんざ
擽
(
くすぐっ
)
ておいて、もうよかろうと角の先を鼻の先へもって行って、いきなり引っ掛けようとすると、どっこい! 鼻にはちゃんとコルクの栓がしてあるんでがす。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
ちとこれが不意だったか、先達は、はたと
詰
(
つま
)
って、
擽
(
くすぐっ
)
たい
顔色
(
がんしょく
)
で
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
擽
漢検1級
部首:⼿
18画
“擽”を含む語句
擽林
擽痒
擽痒感覚